飲酒運転より危険か

夜勤明け居眠り運転 福祉士が死亡事故

人手不足、過酷な介護

茨城新聞3月16日朝刊22面


 群馬県下仁田町の国道で昨年十二月の朝、工事作業中の会社員が車にはねられ死亡した。運転していて現行犯逮捕されたのは、特別養護老人ホームに勤務する介護福祉士の男性(ニニ)で「夜勤明けで疲れて居眠りをしてしまった」と説明。二十四時間態勢でお年寄りを見守る過酷な介護労働の実情が浮かぶ。
 下仁田署によると、男性は帰宅途中で「ぶつかって目が覚めた」と供述した。特養ホームによると、夜勤は夜十時から翌朝七時半までで、一時間半の休憩を取れることになっている。しかし、男性は同署に「仮眠を取れなかった」と説明した。
 施設長によると、男性は福祉関係の短大を卒業後、二〇〇七年四月から勤務。毎日、勤務開姶の三十分前に来て、終わった後必ず掃除をして帰るまじめな態度だった。
 介護職の労働組合、日本介護クラフトユニオン(河原四良会長)の職員で、有料老人ホームに六年間勤めた経験がある島卓さん(四三)は「仮眠を全く取れないのが常態化している施設も多い」と指摘する。
 「胸が苦しい」「尿を漏らした」。ひっきりなしに鳴るナースコール。認知症のお年寄りは徘徊することも。
 「持病が突然悪化したり、転んで大けがをしたりする。夜勤の精神的プレッシャーは大きい」と島さん。
 厚生労働省によると、介護関係職種の有効求人倍率(0九年一月)は二・三四倍で、全産業の〇・六五倍を大きく上回る。
 また厚省の関連団体、介護労働安定センターの調べでは、介護施設職員の平均日収は約十九万円にとどまる。
 二〇〇〇年度に介護保険制度が始まった際は、大きな注目を集めたが、低賃金や、心身共に負担が大きい労働実態が知られるようになり、最近は人が集まりにくくなっている。
 河原会長は「最低限のケアのみで、最期にいい人生を送ってもらうための介護ができない」と嘆く。
 男性は釈放されたが、地検の処分は出ていない。事故後、施設長は声を掛けた。「処分が終わったら、またしっかり働いてくれ。君のような若い人に現場を背負ってほしい」
 男性はうなだれたまま「はい」と小さくうなずいたという。

       ◇

 飲酒運転の厳罰化は進んでおり、注目を浴びているが、過労運転に対する報道はここのところあまり目にしていない。

 飲酒運転は、臭いや表情、アルコール検知器などでわかるが、過労運転は、あまり知られていないような気がする。

 また、過労を計るものもない。過労検知器なるものがあればすぐにわかるのだが。

 飲酒のような基準を作りにくいところにもある。

 
道路交通法第66条 (過労運転等の禁止)何人も、前条第1項に規定する場合のほか、過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない。

 道交法による過労も、基準が曖昧ではないか。地検による処分が出ていないのもそのためであると思う。

 私も同様に宿直勤務の後、うとうとしてしまい信号を見落としてしまったことがあり、ヒヤリとしたことがあった。

 幸いにも田舎道であるため、往来もなく何事もなかったのだが。

 同様に、宿直勤務後の職員が帰宅する際、車ですれ違ったことがあったが、その際、私の挨拶にも気がつかず、表情が必死であったのが忘れられない。

 後日、その職員に聞いたところ、「本当にやばかった」と言っていた。 

 このようなことを上司に相談したところ、それは、ヒヤリハットに書くことではないと言われたため、そのままである。

 しかし、実際に死亡事故にもつながっているのだ。

         ◇

 どこでも人手不足は否めない。運送業界でもそのような声を聞く。

 企業の拡大再生産や、事業規模の拡大も必要なことは理解できる点がある。

 しかし、一番大事なことは、現場で働く職員が過労運転とならなくてすむ、安心して働ける職場環境に、人員配置に、投資することが先決ではないか。

 それからでも遅くはないはずである。

 実際に、過労運転で死亡事故が起こっているのですから。

         ◇

 人によって、同じ業務をこなしても、疲労度は異なる。同じ人でも体調によっても変わってくる。

 そのため、過労の定義も難しい。

 その点で、飲酒運転より過労運転の方が危険かもしれないと思うのだ。

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