平和への思い「紫金草」の花に




 3月14日の朝日新聞声の欄に、「平和への思い紫金草の花に」との題で、投稿がありました。

 ありがとうございます



 春の訪れを告げる花は多いが、私は「紫金草」こそ、春を呼ぶ花の筆頭にしたい。 この花は、ムラサキ花ダイコン、諸渇菜、オオアラセイトウなど稜々な名で呼ばれ、東京などでは2月末から4月いっばい、公園や道ばたなどにうす紫色の小さな花を咲かす。 私は、毎年この花が咲き始めるのを楽しみにしている。 実は、この花にいわれがあることを10年前に読んだ絵本「むらさき花だいこん」(文・大門高子)で知った。 日中戦争時に、中国で負傷した日本人兵士が中国の少女から送られた花で、その後、兵士が日本に種を持ち帰り、中国へのおわびと平和への願いを込めて咲かせた花という物語だ。 私は絵本のことを社会科の授業で生徒に紹介し、花の写真も撮ってきて見せてきた。 生徒たちは、身近に咲いている花に、そんな歴史があったことに驚く。 今年も、その紫金草が通勤途上の沿道の楼の木の下に咲き始めた。 今年も、また、新しいクラスの生徒たちに紫金草のいわれを話すときがきた。


 このうすむらさきの花が、紫金草である。
 
 この種を中国南京市の紫金山の麓から茨城に持ち帰って70年目のこの春、その茨城でもあちこちで咲いているのを見かけるようになった。
 記事にあった「むらさき花だいこん」の絵本の物語は、事実をもとにしたフィクションであるが、読めばこの花にこめられた平和への思いは子どもから大人までわかりやすく伝わってくることだろう。
 平和とは抽象的すぎる言葉で、イメージしにくいものであるが、この絵本を通して、考えるきっかけの一つになることだと思う。



 「紫金草」という名は、この花の種を日本に持ち帰った山口誠太郎さんが、最初につけた呼び方である。
 その山口誠太郎さんの思いを考えてみたい。
 山口さんは、南京大虐殺事件後、一兵士として南京市を訪れている。そこで部下などから聞いたのが、事件の話であった。
 その際、「これが天皇の軍隊のすることか」と口にしたという。
 この言葉が、軍法会議にかかり問題となった。この言葉には、二つの解釈があった。
 一つは、「天皇の軍隊ともあろうものがこんなことをしていいのか」という意味であった。

 もう一つは、「これが天皇の軍隊の実態か」という意味であった。このため、軍隊を去ることになった。

 去る際、南京市にある紫金山の麓に咲いていたのが、この花であった。その花の種を数粒ポケットにしのばせて、日本に持ち帰って来たのだ。

 絵本では、少女に一輪の紫金草をもらったことになっている。実際に少女からもらったということは定かではない

 そして、自宅の庭にその種を蒔いて育てたという。

 その種は、山口さんによって日本各地に蒔かれていった。種を土でまるめた土団子にして汽車のまどからなげたりもしたという。

 どうして、この花を育てているのか? 種を日本各地に蒔いているのか?

 山口さんは多くを語らなかったという。

 ところが、山口さんが亡くなる直前、声も出ない状態で書いた言葉が、上記の

しきんそうたのむ

 ということであった。

 山口さんは、どういう思いでこの花を全国に蒔いてあるたのであろうか。

 おそらく誰しもが平和がいいと思っていることだろう。しかし、英語ではPEACE・FLOWERとよぶ紫金草(しきんそう)だが、平和とは何かを語ることは容易いことではない。

        ◇

 今年の4月18日には、絵本の中で兵士に紫金草を渡した少女をモチーフにした「少女の塔」が、南京大虐殺記念館の中に完成する。

 南京大虐殺記念館内には、平和の花園、紫金草の花園がつくられてある。まさか、山口さんも自分が持ち帰った花が、里帰りするとは思っていなかったであろう。


 この花を見て、安心して生活できることが実感できるとき、それが平和なのだろうと思うのだが。

 抽象的な平和を、具体化したものとして挙げることができるのが紫金草ではないだろうか。

 この花のいわれを知り、平和の象徴として紫金草が、多く方々に愛される花となってきていることは確かである。

 戦争状態だったり、生活が困窮していたりするような不安な生活の中では、花を見る余裕さえないであろう。

 紫金草を見て「きれいだなあ」と思えることこそが平和なのかもしれない。






中国語が聞き取れる方は見てみてください↓

CCTV 紫金草を語る 1/5

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