稚内での児童虐待死を受けて


 またもや、児童虐待による被害者が出てしまった。

 亡くなった龍生ちゃんの通っていた保育園では、本児らを含む4人の兄弟が虐待を受けている可能性があるという通報を児童相談所にしていた。

 児童相談所では、母親の本望容疑者と7回、面談していた。そこで、母親は「あざは兄弟げんかでできた」と説明したため、「虐待はない」と判断していたという。

          ◇

 児童福祉司の一人当たりの標準人口は、おおむね児童10万から児童13万だったのが、「おおむね児童5万から児童8万」になっている。

 それでも、一人で5~8万人を担当しているのだ。

 一人でそれだけの児童を把握するだけでも困難なことであろう。しかも、茨城県でいえば、福祉司は専門職ではない。それまで子どもに関わったこともない、例えば建設課とか財政課などから移ってくるのが多いのだ。

 子どもたちに向き合ったことのない方が、児童相談所の仕事をしているのもかわいそうである。

 小中学校の教師から移ってくることもあるが多くはない。福祉司によって大きな差があり、熱心な方もいれば、そうでない人もいる。

 茨城県議会で専門職にとの要望もあったが、知事は専門職にすると転勤等が限られてしまうため、予定はないと言っていた。

 子どもの対応も困難を極めるが、それ以上に保護者に対する指導は難しいものがある。

 日本では、子どもは親の所有物的な考え方がある。以前は、尊属殺《刑法200条》というのがあり、子どもが親を殺した場合は、死刑か無期しかありませんでした。現在は親が子どもを殺しても、子どもが親を殺しても、同じ殺人罪が適用されていますが。

 それでも、他国より親権の力が強く、虐待があっても親権を停止する規定はない。

 虐待が認められた場合でも、子どもは児童福祉法28条で、家庭裁判所の承認を得て施設等に措置することもできるが、親に改善を求めることは困難である。

 児童福祉法

第27条 都道府県は、前条第1項第1号の規定による報告又は少年法第18条第2項の規定による送致のあつた児童につき、次の各号のいずれかの措置を採らなければならない。
3号 児童を里親に委託し、又は乳児院、児童養護施設、知的障害児施設、知的障害児通園施設、盲ろうあ児施設、肢体不自由児施設、重症心身障害児施設、情緒障害児短期治療施設若しくは児童自立支援施設に入所させること。

第28条 保護者が、その児童を虐待し、著しくその監護を怠り、その他保護者に監護させることが著しく当該児童の福祉を害する場合において、第27条第1項第3号の措置を採ることが児童の親権を行う者又は未成年後見人の意に反するときは、都道府県は、次の各号の措置を採ることができる。
1.保護者が親権を行う者又は未成年後見人であるときは、家庭裁判所の承認を得て、第27条第1項第3号の措置を採ること。
2.保護者が親権を行う者又は未成年後見人でないときは、その児童を親権を行う者又は未成年後見人に引き渡すこと。ただし、その児童を親権を行う者又は未成年後見人に引き渡すことが児童の福祉のため不適当であると認めるときは、家庭裁判所の承認を得て、第27条第1項第3号の措置を採ること。
 http://www.houko.com/00/01/S22/164.HTM

 今回の稚内での事件で、児童相談所に責任が求められるのは否めないが、そこだけに責任を押しつけることはできないであろう。

 児童福祉司のあり方の問題点と、親に対する更正プログラムがない点を考慮しなければならないからだ。

 今後の解決策として現在私が考えているのは、以下の三点である。

?児童福祉司一人の担当する子どもの数を少なくする。

?児童福祉司の専門性を高める。

?虐待を行った親権者の親権を停止し、指導・教育を定める。

          ◇

 もう一点考えなければならないことがある。

 それは、児童養護施設というものである。実は、こういうものを知ったのはここ7~8年前のことなのだ。

 児童養護施設の多くは、戦後の戦災孤児を預かって育てるというところから出発している。

 そのため、現在は、施設開設者の2代目、3代目が経営しているところが多い。それも世襲が行われているのだ。

 このことについて、うさぎのひとりごとさんが記事に書いていた。
http://blogs.yahoo.co.jp/luvtakuropeace/4143324.html

 この世襲した人物(身内)が、
 児童養護の実践者として、また施設の運営者として適任であるかは、厳しく審査されていない。
 ということが述べられていた。

 特定郵便局での問題と同じではないか。

 その存在があまり知られておらず、また、対象が子どもということもあり、矢面に出てくることはあまりない。

 しかし、児童養護施設が措置費という公費(税金)で運営されている以上、その管理者や経営者は、何らかの試験や審査を受けた人物がなるべきであろう。

 自分の親が運営する施設で働いていれば、そのまま有資格職員になれる

 と、うさぎひとりごとさんがいうように、簡単に資格が取れて、経営することができるのだ。


 以前、一緒に飲み比べをしたことのある谷本龍哉衆議院議員らが、「児童養護施設の改善等に関する請願」を行っているが、これらは、経営者側の代弁であって、子どもたちのことを一番に考えたものとは思えない。
 彼は、私が見ても人物であると思うが、選挙権のない施設の子どもたちのために、また、その親権者のために働いているとは考えられない。
 むしろ、世襲された経営者たちの集まりである全国児童養護施設協議会の代弁者であろう。
 児童養護施設がクローズアップされない理由がそこにある。老人ホーム等は選挙権が絡んでくるが、子どもたちにはないのだ。

 確かに、戦後の混乱期に個人資産を投資して戦災孤児のために貢献してきたことは素晴らしいことであろう。

 それと、世襲しているということは別問題である。しかし、児童養護施設の世襲制を否定するような声は、ほとんど聞こえない。聞こえないと言うより、そういう問題があることの存在が知られていないと思う。

 郵政民営化でメリットがあったとすれば、特定郵便局の廃止だけであろう。

 同様に、ぜひとも、児童養護施設にも、世襲制の廃止を求めたい。また、世襲するにしても、厳格なる審査をお願いしたい。

 私の卒業した私立高校では、当時、校長先生は教職員の選挙で選ばれていた。現在はわからないが。

 せめて、民主主義国家たる日本であるならば、施設長を職員からの選挙で選ぶのも一つの方法ではないだろうか。

 一般の企業も、公立学校も、社長や校長を選ぶのは選挙で行うのが良いかもしれない。

 株式会社であれば、株=お金をたくさん持っている人が議決権を持っており、人数ではない。株をいくらもっていても、一票しか投票できないことが、民主主義ではないだろうか。
 
 資本主義はもうこの先、限界を迎えつつあるところだから。

          ◇

 稚内で助けることができたかもしれない命が一つ消えてしまった。

 児童福祉司の専門性が高ければ・・・

 児童福祉司がたくさんいれば・・・

 親権を停止することができたならば・・・



 票にならない子どもたちのために活動する議員を理解できる有権者がたくさんうまれることを祈るばかりである。


 今年度も、未来ある子どもたちのために、働いていこうと思う。

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