「ゼニの掟」 青木雄二

【出版社からのコメント】
 ベストセラー漫画『ナニワ金融道』で知られ、亡くなった今でもカリスマ的支持を集める青木雄二氏。本書は、『ナニワ金融道』以外のすべての漫画をまとめて読める完全短編集、2巻構成の第1弾です。
この第1巻には、ゼニ漫画の原点であり、デビューのきっかけとなった作品『50億円の約束手形』や、著者没後発見された、25歳時の本当の処女作『盛場ブルース』などを収録。「青木雄二のルーツここにあり!」と言えるラインナップです。
 内容的にも、ゼニにまつわる非情な世界や社会の矛盾を鋭く描いた作品が多く、まさに青木哲学が凝縮された渾身の漫画集です。
 また、各漫画のあとには、著者自身による各作品の解説や、その作品テーマに関連した実用的なコラムを掲載。「ゼニの掟」を漫画と文章とで理解できる1冊と言えます。
 その他、収録漫画『淀川河川敷』を原案とし、先日公開された映画『晴れたらポップなボクの生活』の情報もあり、青木ワールドを知るうえで、非常にもりだくさんな構成となっています。
なお、本書の体裁は、カバーなしのペーパーバックスタイル。手軽に読める軽装本「廣済堂ペーパーバックス」の最新刊となります。
 
<収録漫画タイトル>
・50億円の約束手形         ・淀川河川敷
・ラテン喫茶の頃           ・ローカル線
・屋台                ・盛場ブルース
どの作品も、青木イズムが感じられる傑作ぞろいです




 ベストセラー漫画『ナニワ金融道』で知られ、亡くなった今でもカリスマ的支持を集める青木雄二氏。本書は、『ナニワ金融道』以外のすべての漫画をまとめて読める完全短編集、2巻構成の完結編です。
この第2巻には、『ナニワ金融道』連載直前の幻の投稿作『彼岸と此岸の間で』、前身の金融漫画『現象形態と本質』、著者没後発見された若かりし日の作品『鉄道』『ある批評家などを収録。「青木雄二のルーツここにあり!」と言えるラインナップです。
 内容的にも、ゼニにまつわる非情な世界や社会の矛盾、人間の欲望を鋭く描いた作品が多く、まさに青木哲学が凝縮された渾身の漫画集です。
また、各漫画のあとには、著者自身による各作品の解説や、その作品テーマに関連した実用的なコラムを掲載。「ゼニと欲望」を漫画と文章とで理解できる1冊と言えます。
なお、本書の体裁は、カバーなしのペーパーバックスタイルで、定価は税込500円。手軽に読める軽装本「廣済堂ペーパーバックス」500円シリーズの最新刊となります。
 
<収録漫画タイトル>
・彼岸と此岸の間で      ・現象形態と本質
・邂逅              ・悲しき友情
・鉄道              ・ある批評家

 近所のコンビニエンスストアで手に取ってしまったのが、テレビドラマや映画にもなったナニワ金融道で有名な青木雄二漫画短編集 完全版1「ゼニの掟」 完全版2「ゼニと欲望」という2冊のマンガであった。


 彼のデビューのきっかけ足がかりとなった、ゼニの掟編にある「50億円の約束手形」は、おもしろかった。
 約束手形など、一生見ることもなく過ごす人が多いのではないか。私も現物は見たことがない。だから、この絵を見てもこういうものか。と思ったくらいである。
 しかし、よく見てみると、おかしな点があったのだ!
 普段、こういうものを頻繁に見ている人ならすぐに気がつくと思うのだが。

支払日が、振出日以前になったいるのだ


それを利用したのが作品であった。また、この作品のおわりには、金融法律指南というコラムがあった。短編集なので、どの作品の後にも、青木雄二氏のいろんなコラムがあり、これがまた、ためになる。

 この金融法律指南というコラムで初めて知ったのだが、約束手形は、誰でもできたのである。銀行に当座預金があって、手形帳を発行してもらわないとできなと思っていたのだが。
 そのへんの紙切れに、「約束手形」と書き入れて、振出人や支払いの場所などの必要事項を書いておけば、それで通用してしまうという。これを、どうやら

おもちゃ手形

ともいう。銀行では受け付けてくれないが。

 一番印象に残ったのは、ゼニと欲望編の『悲しき友情』という作品である。漫画家を目指す建設作業員の話である。ナニワ金融道を連載してから2年目の頃だったという。青木雄二氏が

「ワシの描きたいものを描く」


という条件で引き受けたものだ。だから、彼の一番伝えたいことがこの作品に込められているのだと感じた。私は、ナニワ金融道よりも心に残る作品になった。それは、観念論と唯物論のことを伝えるために、年配の作業員と飲んでいる際のシーンにある。

 目の前に在るとっくりを、手や足や体の一部を触れずに動かすことができるかという賭けをしようともちかける。日当の1万円をかけようというのだ。そして、神様にお願いする。

 「アーッ。神様、仏様、キリスト、釈迦、親鸞、日蓮、空海、法然、誰でもかまいません。イワシの頭でもかまいません。お願いします。僕の願いを叶えてください!」

 と、とっくりが動くようにお願いしたのだ。

 が、しかし、とっくりは動かなかった。ということは、

「神は、思うもので、徳利は在る物だ」


ということ。つまり、

「在る」のほうが、「思う」より先


である。だから、

神が人間を創ったのではなく、人間が神を創った


と、建設業員同士で話をするのだ。

 こういう視点というか、表現手段は、マンガしかでいないであろうし、青木雄二氏しかできないと思った。

 彼は、現在の教育は、

== 「木を見て、森を見ず」 ===

だという。日本は資本主義国だから、唯物論を教えないのだという。

 労働者は、1日8時間労働したとして、自分の取り分は、1時間30分、残りの6時間30分は、全部資本家の懐に入ってしまうという、ひどい搾取がバレてしまう。これでは、労働者はまじめに働かん。

 「それは、そう思う人には、事実かもしれないけど、そう思わない人には、事実とは言えない。事実は人によって、みな違うのだ」 しかし、真実は、ひとつしかあらへん。若者にとって、意見が異なるのは、真実についてではなく、その事実についての観念だということが、わかっておらへんのや。

 「巨人、大鵬、卵焼き」の後に、「自由民主党」とつけるべきだった。 これは、どういうことかというと、多勢に無勢というか、誰かが切り開いてくれた道とか、昔からあったしきたりとか環境の中で、何も考えずに、あとからついていくことは、誰にでもできることや。 つまり、主体性を持った若者が育っていない。

 こういうことを思い執筆にとりかかったのがこの『悲しき友情』であったという。


 青木雄二氏の熱い思いがこもった作品であったと思う。ほかにも、ゼニ社会の矛盾を学んだという「罪と罰」をモチーフにした『邂逅』(かいこう)などは、マンガとしても面白かった。

 




 

 
 


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